「産経新聞」

平成15年(2003年)1月27日(月曜日)

話題の一冊より
デカダン村山槐多 福島泰樹著 3990円

 村山槐多への編集者と歌人の熱い思いが、一冊の書物として結晶した。槐多は画家として詩人として、大正時代を疾走し、結核のため二十二歳の若さ“自爆”した男だ。
(中略)異例なのは、本書が「菊判函入活版本文二号活字一首組」という、現代においてこれ以上のぜいたくはないという形で出版されたことだ。
(中略)さてその内容だが、歌人が槐多ゆかりの信州に赴き、一気に詠んだというだけに、勢いのある歌が並ぶ。どのページを開いても“叙情を秘めた凶暴性”が牙をむき読む者を待ち構えている。
≪灼熱の赤銅色の憤懣の火吹き達磨はこの俺である≫
 日本語の力と美しさを再認識させられる書物らしい書物の登場である。
桑原聡

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