「讀賣新聞」

平成18年(2006年)8月6日(日曜日)

空想書店より 青柳 いづみこ
ピアニスト エルフリーデ・イェリネク著 中込啓子訳 2079円

めまいを起こさせる
 私の書店ではめまいを体験していただきたく存じますね。だって、音楽家は聴衆にめまいを起こさせるのが商売ですもの。
 私は、普通の本屋さんに行ってもめまいがするんです。どの本もオレ様を読めってガンをつけてくるような気がして。
 青柳書店では、本はひっそりしておりますね。とじこもりたがり屋さんの本たちでございます。でも、ひとたび開けると、めまいが起きるんです。
(中略)『ピアニスト』エリカは、存在自体がめまいです。お母さんが大好きで、そして大嫌い。ピアノが大好きで、大嫌いなんです。いじめられたくって、いじめたいんです。でも、クラシックのピアニストってこんな種族です(言っちゃった・・・・・・)。(後略)

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