『テレビの時間』   


中日新聞 夕刊  芸能より
       平成19年(2007年)9月12日

芸能の本
「業界の一端、面白く」       
                            黒川光弘

著者の大山勝美氏は1957(昭和32)年、TBSに入社、ドラマの制作、演出に当たってきた。いわばテレビドラマの歴史をそのまま歩んできた人といってもいい。
 とりわけ山田太一氏とのコンビによる「知らない同志」「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」などは史上に残る傑作として知られる。
 その大山氏が80年代から2006年にかけて発表した文章をまとめたもので@テレビ業界編A人物論B講演、対談、インタビューといった構成になっている。
 テレビ業界編では「いわゆる辛口のホームドラマがはやった背景には主婦が離婚ギリギリの行動をすることをおそれなくなったことがある」などと指摘する。
 かと思えば新劇系のベテラン俳優が若い歌手や素人のスポーツ選手の演技にとまどっているーなどという一節も現場を知る人ならではの観察だろう。
 いたって読みやすい書で、どこから読んでもテレビ業界の一端が面白く伝わってくる。一読すればテレビの見方が変わるかもしれない。