78歳、マンガ新刊
森哲郎さん、46冊目
松坂屋の歴史題材「描くのが健康法」
名古屋市守山区の漫画家、森哲郎さん(78)が46冊目となる作品「マンガ松坂屋物語 江戸時代から四百年」を出版した。政治漫画など社会的な作品を中心に描いてきたが、長い漫画人生を振り替える中で、故郷名古屋の題材を選んだ。22日に漫画家半世紀を祝うパーティーを名古屋で開く。
森さんは、60年代、漫画週刊誌に「サラリーマン太閤記」などを連載。一時は月に15本を描く売れっ子だった。70年代に入って、作風をギャグから社会派に転向。日本国憲法やロッキード事件、日中戦争などをテーマにした作品を出してきた。朝日新聞にも政治漫画を描いた。
「松坂屋物語」は1611年に創業された「いとう呉服店」が火災による焼失や関東大震災、戦災など多くの困難をくぐり抜けてデパート松坂屋に成長した歴史を、ユーモアを交えて描いている。
森さん自身、名古屋で過ごした少年時代、放課後や休日になると松坂屋に出かけた。「足を踏み入れると、照明がパーッと輝いていて、甘酸っぱい香りが漂っていた。今で言う遊園地のよう。思い出の場所です」
160ページほどの原画を3ヶ月で描き上げ、10月末に出版した。11月初めには松坂屋本店にある書店でサイン会と原画展も開いた。
1954年に漫画家の道を歩み始めて半世紀。今でも創作意欲は旺盛だ。今年はすでに中国の「孫子の兵法」を解説した漫画も出版した。
守山区にある仕事場の壁には、アイデアの元となる新聞記事の切り抜きなどが張られている。
「毎日漫画を描くことが健康法」という森さんは、次作も子ども時代の戦争体験など名古屋を題材にしたいという。